相談事例(2024)


相談事例(その223)

 

任意後見契約は近所の信用できる年下の人を紹介        2024.4

 

  3月中旬、鶴見の汐田病院で「成年後見制度と遺言・葬儀とお墓について」をテーマにお話をしました。

 高齢者の関心を惹く話題なのなので、40人近くの方が参加しました。

 まず成年後見制度には、①判断力がなくなった時、裁判所に申請する法定後見制度と、②判断力のあるうちに、信頼できる年下の受任者にお願いして公証役場で契約する、任意後見制度の二通りがあることをお話ししました。

 早めに契約しておかないと判断力がなくなってから裁判所にお願いすると、初めてお会いする人が「私が法定後見人に決まりました」と連絡が来て毎月の報酬が発生し、高いものにつきます。とにかく急いでくださいと話すと、顔つきが変わり始めました。

 「身内のものでもいいか」「そんな奇特な人はどこにいるのですか」など質問が次々出されました。

 次に公正遺言書について、みなさんはもう書いてありますかと聞いたらほとんどの人が「まだです」が多くて、ここでも急ぐことを勧めました。

 「さらに遺言とは、お金があるかないかではなく、生きているうちにお世話になった友人や団体に何%と遺贈していくことが重要です」と話すと、びっくり顔。遺産はすべて身内にと考えている人が多く、初めて聞いたような顔が多かったようです。

 

 


相談事例(その222)

 

任意後見契約は近所の信用できる年下の人を紹介!        2024.3

 

 今年に入ってから 昨年暮れのしんぶん赤旗やセンターだよりを見てとか、あしたにむかってパートⅡをよく読んだという人が相次いで電話が入り「任意後見をお願いしたい」という相談でした。

 いずれの人も「私より年下であり、公証役場も認めないし、私自身38名の受任者になっていてこれ以上増やせない」と説明しました。

 しかし相談者は困るわけです。「宮原さんは共産党の元議員で信用できるのでお願いに来ました」ということから、「私が信用できる受任者を紹介します」と言うことで、初対面であっても紹介し、話し合ってもらい納得してもらっています。

 2月に入って川崎区のWさんの後見契約の受任者として近所に住むHさんが受任者となって公証役場で契約をしました。もう一人のWさんも同じ地域のKさんにお願いして契約しました。2月の末に港南区のKさん夫妻がセンターに相談に見えますが近くの人を紹介して受任者を広げてゆきたいと考えています。

 相談はどんどん受けながら受任者を探し紹介してゆくことをこれからの方針にしてゆきますのでご理解くださるようお願いします。

 


相談事例(その221)

 

成年後見制度と遺言・葬儀について話して来ました      2024.2

 

  10月22日開設20周年の集いで「終活の準備を急いで」と訴えました。その後、11月12日(日)中原区西後援会総会、11月28日(火)旭区の生活と健康を守る会総会、12月16日(土)鶴見区友の会などでそれぞれ成年後見制度と遺言・葬儀とお墓についてをテーマに40分から50分程自らの経験に基づいてお話をさせていただきました。

 任意後見については「75歳を過ぎたら5~10歳年下の信頼できる人に任意後見の受任者を」

 遺産については「身内だけではなく生前お世話になった団体や個人に遺贈する」

 葬儀は「祭壇は質素に音楽葬で弔辞を必ず」お墓は「高いお金で作るのではなく市営墓地や年金者組合の墓に合葬する」を分かり易く話しています。

 各会場の参加者から「話が具体的で良く分かった」「自分はまだ早いと思っていたが今日からよく考えて終活を始めます」「任意後見の受任者を探さなければ」「さすが20年の経験ですね」などの意見が次々と出されました。

 年末に中原区に住むMさん(81歳)から「自分の方が先だと思ってまだ早いと高をくくっていたが、妻が末期がんと宣告された。夫婦同時に逝くと後で子供が混乱し困ることになるので公正遺言証書を作りたい」と相談に見え、公証役場で無事契約することが出来ました。

 私はこれまでも話してきましたが最近は、特にその必要性を実感しています。手遅れになると取り返しがつかなくなりますので、受任者を見つけ公証役場で契約を結ぶことです。

 くらしの相談センター所長

                宮原 春夫


相談事例(その220)

借地権付き住宅の売却勉強になった取引でした                                 2024.1

 

  

 ご相談者のI様からご売却のご相談を頂いたのは、借地権付き一戸建てでした。土地は、とあるお寺が所有しており、売却にはお寺の承諾が必要でした。建物は階段を数十段のぼった林の中にあり、所有者はI様のお姉様でした。お姉様は一人暮らしで、今回老人ホームに移ったため、売却したいということでした。建物内や敷地内は、ものが大量に散乱しており、片付けがかなりたいへんそうでした。

 まず売却の承諾をもらうためにお寺に連絡をしたところ、不動産会社Y社に借地の管理を依頼しているので、そこに連絡してほしいと言われ、I様と一緒にY社に相談に行きました。

 Y社の社長は、最初は当社が売買に関わることに難色を示しており、新しい借地人もY社が選定するようお寺から言われているため、売却の依頼はY社でしか受けられないと言われました。しかし何度か訪問してお話をし、販売状況や買主候補については必ずY社に相談するなどの約束をして、協力を得ることができました。

 その後荷物の片づけを経て販売活動をした結果、都内の建築士さんが、建物を改装してカフェを開きたいということで購入して頂き、Y社やお寺からも好印象でした。まだカフェは開店準備中ですが、新たな不動産として生まれ変わるのが楽しみです。借地は関係者が多く、手順を間違えると売却が難しくなるケースもあります。今回はうまくいきましたが、当社としても勉強になった取引でした。

    中央プランナー

         木村 真教