相談事例(その231)
困った時の相談センター、下記2件を解決しました 2024.12
①9月初旬、藤崎に住むMさんが相談センターに来て、4月に91歳の夫が亡くなり、私と子ども3人が残された。不動産の名義が亡父と私が50%ずつになっているものを全部私の名義にすることにして家族会議で長女と次女は賛成してくれましたが、千葉県に住む下の子が手紙を出しても電話をしても一切連絡が取れないまま、裁判所に書類を提出しても下の子の了解がないと受け付けてもらえないのでどうしたら良いかとの相談でした。
相談センターの行政書士が「本人受け取り限定の手紙」を出せば本人が受け取るまで、配達を繰り返してくれるので「やってみてください」とアドバイスしました。
11月に所長が訪問した時Mさんが「お陰様で下の子から連絡が来て母の名義にすることに賛成してくれて遺産分割協議し3人の子が放棄することでまとまり、司法書士さんに名義変更をしてもらいました。と喜んで報告がありました。
②桜本に住むKさん(91歳)の群馬県に住む妹が昨年亡くなったのに入院していて葬儀にも行けず、退院してもほとんど歩けない体になりお墓参りにも行けず悶々としていた時、所長から「群馬に車でお連れして墓参りに行ってもいいですよ」と言われて、先日群馬県中之条町の山奥に行ってきました。山道の狭い道路で車の入れるとこまで登り後、100メートルぐらいの坂道を杖をついて所長に手を引いてもらい墓参りをすることが出来たと大変に喜ばれて「相談センターのおかげで胸のつかえが降りました。これで安心して眠れます」と感謝され、次回は墓じまいをする時もう一度連れてきてくださいとお願いされました。
相談事例(その230)
頼りになる相談センターで左記2件を解決しました。 2024.11
①川崎区境町に住むKさんが母親と一緒に相談に見えました。
お話をうかがいますと、亡くなった父親名義の不動産があり相続する場合は母親と長男のKさんが50%ずつになりますが、母親は87歳になるのですべて長男の名義に変えたいと言う相談でした。
早速司法書士の石井さんに相談しKさんと母親の遺産分割協議書に母親が50%の権利があるのを放棄して全てKさんに相続させるとして名義変更すればOKとなりますとのことでした。
さらにKさんは独身なのでKさんと母親が元気なうちにKさんが遺言書を書いて自分が亡くなったらすべての財産を甥のSさんに遺贈することにして相談センターで遺言書を作成し公証役場で契約することになりました。
②大田区に住むOさんが夫が亡くなる前は必要なお金をカードで下ろしていたが亡くなったことを銀行に知らせたとたんお金を下ろせなくなったと相談に見えました。元銀行に勤めていたAさんに相談したら、夫の生まれてから死ぬまでの戸籍謄本を取り寄せ、Oさんの身分を証明するものと通帳を持ってゆけば全額下せることになると連絡すると安心して帰られました。
ランナーにお願いすることにしました。話がトントン拍子に進みこれでようやくぐっすり眠れますと喜んで帰られました。
相談事例(その229) 2024.10
「ニュースを見た」と二人の人が相談に来ました 2024.10
①旭町に住むKさんがニュースを見たと言って、中島一丁目のTさんと一緒に相談に見えました。借地権付きの土地51坪の家に住んでいるが、5月に夫が亡くなり国民年金しか収入が無く、生活が出来ない、どうしたらいいかという相談です。
借地権付きの土地で在っても地主さん買ってもらうか、さもなければ地主さんの承諾を得て売却する方法があります。しかし亡父名義では売却できないので早速名義をKさんに変更するため、石井司法書士にお願いすることにしました。その後売却については地主の懇意な不動産屋が無ければ、了解を得て中央プランナーにお願いすることにしました。話がトントン拍子に進みこれでようやくぐっすり眠れますと喜んで帰られました。
②浜町に住むSさんが生前贈与の相談なら、くらしの相談センターへと聞いていたのでと相談に見えました。
横浜の港北区に、Sさん名義の駐車場にして貸し出している50坪の土地があり終活の一環として、元気なうちに妻と4人の子どもに平等に生前贈与したいという相談です。
1人2500万円まで無税ですから仮に1億2500万円まで大丈夫ですよ。とアドバイスすると善は急げですね、ということで駐車場を管理する不動産屋さんにお願することになりました。
相談事例(その228)
任意後見受任者になって半年たちました 2024.9
宮原所長から後見人の話があって引き受けてから半年余りがたちました。
女性2人の後見人と関連の女性の補助作業という内容です。最初は何も分かりませんでしたが、講義を受けたり、本を読んだりして何をやるのかの全体像が分かってきたところです。
先ずは、後見人依頼者の依頼内容を把握することが大事です。受け手のこちらが、出来ないことがあるので、内容について共有することが大事だと考えています。
最初に本人と連絡を取ることから始めました。相談センターもかかわる行事に誘ってみたり「元気でやっていますか」といった声掛けを大事にしています。
施設に入所している人の場合は、病院への移動の際の車いすの手伝いという仕事も入ってきます。
後見人制度の本によると、今やっている中身はほんの一部で、やることは多岐にわたっているというのがこの間の実感です。
この先はどのようなことが問題として、依頼がくるのかという心配はありますが、依頼者本人が、一番大変だという立場で対応していく考えでいます。
いま一番思うのは「後見人受任者を数多く抱えている宮原さんはどのように対応しているのだろうか」ということです。
芳賀 滋
相談事例(その227)
未来社会に貢献できる遺贈寄付 2024.8
「遺贈寄付」とは、自分の死後残った財産で社会貢献できる仕組みです。
自分が亡くなった後、遺産は通常法定相続人(配偶者や子供など)が相続します。
一方「遺贈」は法定相続人以外の個人や団体に「遺言書」によって遺産を譲り渡すことで、公益的な活動をしている団体などへ寄付する場合は「遺贈寄付」と呼びます。
遺贈寄付を実現するには遺言書を作成し、自分の意志を示しておくことが大切です。遺言には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があり公証役場で法の専門家である公証人が作成します。少しの手間とお金がかかりますが公正証書遺言をお勧めします。
相談センターに遺言書を作りたいと相談に来られる方には「親族に相続させる以外にもお世話になった団体や個人に遺贈寄付という選択肢がある」とご提案させていただいています。
いまの生活に不安があるという方も、遺贈寄付は残った財産から寄付できるので心配はいりません。遺言書は何度でも書き換えることが出来ます。 たとえ今はできなくても、未来の社会に貢献する可能性を広げることが出来るのが「遺贈寄付」と言う選択肢です。
まだまだ自分は「公正証書遺言」作成は早いと思っている方は、認知症になる前に、正常な判断が出来るうちに遺言書作成を急ぐことをお勧めします。
私が遺言執行人になっている方のうち数名は遺贈寄付を遺言書で明記されていますが、まだまだ身内に相続する方が多数です。くらしの相談センターは毎日相談に応じていますので予約をしてから相談に来てください。 宮原 春夫
相談事例(その226)
お気付きのことや困りごとはくらしの相談センターへ 2024.7
①5月8日に公正遺言契約したOさん兄弟、兄は28日にお亡くなりになり、6月4日に葬儀が行われ、7日に遺言の関係者で相談しました。
亡くなった兄は、福島に住んでいる娘さんに生前贈与していたことが分かりその分も含めて遺言執行することになりました。
また横浜市金沢区並木の団地で、Oさんの兄と一緒に老人会の世話役活動をしていたYさんに「貴女にも分けてあげるよ」と口約束をしていたことが分かりました。しかし遺言書にはYさんに遺贈すると書かれていないのでその通りに遺言執行することが出来ません。遺言執行が終わった後でお礼と言う形で届けようということにしました。
Oさんの場合は相談センター所長が遺言執行に指名されていたので亡くなられて1ヶ月後に、遺言執行の相談を始めることが出来、今月中に遺言執行が完了する予定です。
②しかし3月3日に亡くなられたHさんの遺言執行は、三井住友信託銀行にお願いしていました。3ヶ月経っても「ウンともスンとも」言ってこない。相談センターで葬儀代、部屋の片づけ費用等約70万円を立て替えているにもかかわらず、遅くなれば人の迷惑であることを承知していながら実行が遅れています。
公正遺言契約を誰にお願いするか分からない人は、貯金している金融機関に頼みがちですが、どこの金融機関でも3~4ヶ月が当たり前のようですから、なるべく金融機関に頼まないで「迷ったとき困ったときはくらしの相談センターに」電話して頂ければいつでもご相談に応じます。
相談センター所長 宮原 春夫
相談事例(その225)
お気付きのことや困りごとはくらしの相談センターへ 2024.6
以前に「桜本商店街入口の道路、雨が降ると水がたまってしまい通行の妨げになっている」と、川崎協同病院の職員さんなどから伺いました。
「水たまりを避けて道の端の隙間を歩行者も自転車も通るから、狭くて通りにくい。歩行器を使う人は大回りしていて大変そうだし、危ない」と具体的な声を区役所に伝えました。
そのときは「排水桝の設置が必要なので時間はかかるが、対応したい」「予算が必要になるので、すぐにはできないが少し待っていてほしい」とのことでしたが、その後、排水口が設置されました。
これまでに、他にも「歩道の真ん中に電柱があり自転車やベビーカーの方が、車道に出て通らざるを得ない。電柱を移設してほしい」「歩行者用の信号の『青』の時間が短すぎて高齢者が渡りきる前に『赤』に変わってしまう。青信号の時間を長くしてほしい」などの声を伺い、行政に届けて改善を実現することができました。
お近くの道路のことや制度のことなど、お気付きのことやお困りごとがありましたら、《くらしの相談センター》にお寄せください。
相談センター所長代理
片柳 すすむ
相談事例(その224)
公正遺言書を急ぎましょう 2024.5
①先日幸区に住むNさんの叔母・Sさんが亡くなり相談に見えました。「Sさんの息子・Tさんは単身で、もし亡くなった場合、誰も不動産を管理する人がいないのでどうしたら良いか」との事でした。息子のTさんはNさんより年下ですが、「Tさんが亡くなったら〝全ての遺産はNさんに寄贈します”という内容の遺言書を書いておけば国庫に納めなくて良いですよ」とアドバイスすると早々Tさんと相談して、又来ます。という事になりました。
②4月16日、福島県に住むKさんが「任意後見制度について説明してほしい」と相談に見えました。 色々説明をした後「遠くの身内よりも近くの他人の方が後見人として役に立ちますよ」と説明し「とにかく早く公正遺言書を作って下さい。」と説明すると納得して帰って行きました。
③4月17日、千葉県に住むSさんは「妻名義のマンションを次男名義に変えたい」との相談でした。残ったお金は他の2人の兄弟に半分ずつで協議が整ったので、と言うお話でしたが父親が亡くなっていないので、いったん父の名義にして生前贈与とするか、公正遺言書を書いておかないと次男のものにできないことも明らかになり遺言書を急いでとアドバイスしました。
④幸区のOさんの兄が、横浜市民病院に入院して検査したら肺・脳・リンパで癌が見つかりあと1ヶ月と宣告され遺言がないと、昔、兄が離婚したときの一人娘がいて、全部娘の方に行ってしまう。それは兄の本意でないので一刻も早く遺言をと頼まれました。連休明けしか予約できずそれまで生きていて欲しいとひたすら祈る事しかできません。
相談事例(その223)
任意後見契約は近所の信用できる年下の人を紹介 2024.4
3月中旬、鶴見の汐田病院で「成年後見制度と遺言・葬儀とお墓について」をテーマにお話をしました。
高齢者の関心を惹く話題なのなので、40人近くの方が参加しました。
まず成年後見制度には、①判断力がなくなった時、裁判所に申請する法定後見制度と、②判断力のあるうちに、信頼できる年下の受任者にお願いして公証役場で契約する、任意後見制度の二通りがあることをお話ししました。
早めに契約しておかないと判断力がなくなってから裁判所にお願いすると、初めてお会いする人が「私が法定後見人に決まりました」と連絡が来て毎月の報酬が発生し、高いものにつきます。とにかく急いでくださいと話すと、顔つきが変わり始めました。
「身内のものでもいいか」「そんな奇特な人はどこにいるのですか」など質問が次々出されました。
次に公正遺言書について、みなさんはもう書いてありますかと聞いたらほとんどの人が「まだです」が多くて、ここでも急ぐことを勧めました。
「さらに遺言とは、お金があるかないかではなく、生きているうちにお世話になった友人や団体に何%と遺贈していくことが重要です」と話すと、びっくり顔。遺産はすべて身内にと考えている人が多く、初めて聞いたような顔が多かったようです。
相談事例(その222)
任意後見契約は近所の信用できる年下の人を紹介! 2024.3
今年に入ってから 昨年暮れのしんぶん赤旗やセンターだよりを見てとか、あしたにむかってパートⅡをよく読んだという人が相次いで電話が入り「任意後見をお願いしたい」という相談でした。
いずれの人も「私より年下であり、公証役場も認めないし、私自身38名の受任者になっていてこれ以上増やせない」と説明しました。
しかし相談者は困るわけです。「宮原さんは共産党の元議員で信用できるのでお願いに来ました」ということから、「私が信用できる受任者を紹介します」と言うことで、初対面であっても紹介し、話し合ってもらい納得してもらっています。
2月に入って川崎区のWさんの後見契約の受任者として近所に住むHさんが受任者となって公証役場で契約をしました。もう一人のWさんも同じ地域のKさんにお願いして契約しました。2月の末に港南区のKさん夫妻がセンターに相談に見えますが近くの人を紹介して受任者を広げてゆきたいと考えています。
相談はどんどん受けながら受任者を探し紹介してゆくことをこれからの方針にしてゆきますのでご理解くださるようお願いします。
相談事例(その221)
成年後見制度と遺言・葬儀について話して来ました 2024.2
10月22日開設20周年の集いで「終活の準備を急いで」と訴えました。その後、11月12日(日)中原区西後援会総会、11月28日(火)旭区の生活と健康を守る会総会、12月16日(土)鶴見区友の会などでそれぞれ成年後見制度と遺言・葬儀とお墓についてをテーマに40分から50分程自らの経験に基づいてお話をさせていただきました。
任意後見については「75歳を過ぎたら5~10歳年下の信頼できる人に任意後見の受任者を」
遺産については「身内だけではなく生前お世話になった団体や個人に遺贈する」
葬儀は「祭壇は質素に音楽葬で弔辞を必ず」お墓は「高いお金で作るのではなく市営墓地や年金者組合の墓に合葬する」を分かり易く話しています。
各会場の参加者から「話が具体的で良く分かった」「自分はまだ早いと思っていたが今日からよく考えて終活を始めます」「任意後見の受任者を探さなければ」「さすが20年の経験ですね」などの意見が次々と出されました。
年末に中原区に住むMさん(81歳)から「自分の方が先だと思ってまだ早いと高をくくっていたが、妻が末期がんと宣告された。夫婦同時に逝くと後で子供が混乱し困ることになるので公正遺言証書を作りたい」と相談に見え、公証役場で無事契約することが出来ました。
私はこれまでも話してきましたが最近は、特にその必要性を実感しています。手遅れになると取り返しがつかなくなりますので、受任者を見つけ公証役場で契約を結ぶことです。
くらしの相談センター所長
宮原 春夫
相談事例(その220)
借地権付き住宅の売却勉強になった取引でした 2024.1
ご相談者のI様からご売却のご相談を頂いたのは、借地権付き一戸建てでした。土地は、とあるお寺が所有しており、売却にはお寺の承諾が必要でした。建物は階段を数十段のぼった林の中にあり、所有者はI様のお姉様でした。お姉様は一人暮らしで、今回老人ホームに移ったため、売却したいということでした。建物内や敷地内は、ものが大量に散乱しており、片付けがかなりたいへんそうでした。
まず売却の承諾をもらうためにお寺に連絡をしたところ、不動産会社Y社に借地の管理を依頼しているので、そこに連絡してほしいと言われ、I様と一緒にY社に相談に行きました。
Y社の社長は、最初は当社が売買に関わることに難色を示しており、新しい借地人もY社が選定するようお寺から言われているため、売却の依頼はY社でしか受けられないと言われました。しかし何度か訪問してお話をし、販売状況や買主候補については必ずY社に相談するなどの約束をして、協力を得ることができました。
その後荷物の片づけを経て販売活動をした結果、都内の建築士さんが、建物を改装してカフェを開きたいということで購入して頂き、Y社やお寺からも好印象でした。まだカフェは開店準備中ですが、新たな不動産として生まれ変わるのが楽しみです。借地は関係者が多く、手順を間違えると売却が難しくなるケースもあります。今回はうまくいきましたが、当社としても勉強になった取引でした。
中央プランナー
木村 真教